白い泡のマイクロバブル、ナノバブルは、やはり効果薄みたい。⑤

「大分県のo氏のサイトより引用」
ある大手企業の系列会社の方を目の前にしての「共同実験」によって、次のことが明らかになってきました。

白く見えるのは、そのサイズにおいて50~80㎛程度の気泡が比較的多く出現することが原因でした。一部に、この白い泡がナノバブルであるといってはばからない方々がいましたが、これはとんでもない見解でした。今では笑い話として済ますことができますが、ナノサイズの気泡であれば、その色はなく透明であるはずなのに、そのような俗説が広まったのはなぜでしょうか?

白い泡が発生した液体は、その時間経過とともに弱酸性化の傾向を示しました。私どもの開発した超高速旋回式のマイクロバブル発生装置では、淡水においては明瞭な白濁化が起こらず、そして弱アルカリ化の傾向を示します。この2つの結果は、私どもと一緒に実験を行った、その企業のみなさんにとっては非常に重大なことでした。

なぜなら、自分たちが開発し、持参したマイクロバブル発生装置なるものが、私どもの装置で発生したマイクロバブルと同じであると胸を張っていってきたのに、それが明確に異なっていることが判明したのですから、さぞかしかれらの胸の内は穏やかではなかったのではないでしょうか。

ついでに、①の問題の補足をしますと、かれらのマイクロバブルは、気泡核と呼ばれるものが膨張したものであり、私どもの超高速旋回式装置で発生したマイクロバブルは、その発生直後から収縮が始まり、小さくなっていくものでした。このように、動的挙動が正反対ですから、当然のことながら、上記②の液体の性質がまったく異なる傾向を示したことは、当然、ありうることだったのです。

そこで、相変わらず、何も言わなくなったかれらに、私は、次の3つ目の提案をしました。「3つ目の実験として、マイクロバブルによる血流促進が起こるかどうか、これを確かめてみましょう。この実験は、マイクロバブルの本質的性質に関わるものですから、これまでの2つの実験結果よりもはるかに重要な意味を有しています。そのことはお解りでしょうか?」こう尋ねても、かれらは何もいいませんでした。

無理もありません。上記2つの結果が、かれらの予想や期待とは大きく違っていたのですから、それら以上に本質的な特性について、かれらが、その見解を述べることはどだい無理なことでした。 「それでは、あなた方の『白い泡』の装置で実験をしましょう。ここに光ファイバー式レーザー血流計という計測装置があります。この原理については、ご存知でしょうか?」

どうやら、この原理については、理解が及んでいたようで、同種の計測装置を用いて血流計測をしたことがあるようなことを述べておられました。「そうですか、そうであれば、この計測方法についての詳しい説明は不要ですね」こういって、かれらに、「白い泡」を発生してもらいました。「さて、どうでしょうか。この血流計測において、何か変化はあったでしょうか?」
その結果は明白でした。いくら時間が経過しても、その血流には変化がなく、一定の血流量の値が示されているだけでした。 「この白い泡では、まったく反応が現れませんね。そのことのご理解はよろしいですか?」

かれらの目の前に、その無反応の結果が明確に出てきているのですから、かれらは、それを認めざるをえなかったようでした。 「それでは、次に、私どもの装置を用いて同じ条件において同一の血流実験を行いましょう」この実験も、かれらの目の前で、それこそ何も包み隠さないようにして行われました。

「マイクロバブルを発生させると同時に、このように血流促進が起こっています。そのことはお解りですね」目の前の記録計を指で示しながら、その説明をかれらに対して行いました。その血流量はマイクロバブルの発生と共に増加し、しばらくすると、その増加後の値を維持していました。

「これでよろしいでしょうか。あなた方の『白い泡』では、血流促進が起こりません。それに対し、私どもの超高速専科式では、このように明瞭に血流促進が起こります。この違いは、お解りになったでしょうか?」

ここまで示すと、さすがに、かれらの理解は、かなり深められたようであり、私どもの装置で発生したマイクロバブルと、かれらの装置で発生させたマイクロバブルを同じであるとはいわなくなりました。

「どうでしょうか、これでよいでしょうか?」こう尋ねると、かれらの「白い泡」については、血流促進ではなく「『癒し系の泡』でいく」というような見解を述べられていました。

そのとき、「本当の癒しを行いたいのであれば、それには血流促進を起こさせることが一番良いことなのですよ」と思いましたが、その見解を述べることは控えておきました。以上が、私の「白い泡」研究における最初のアプローチであり、かなり強烈なエピソードでもありました。

このことに関するプロセスについては、これまで詳らかに明らかにすることはしてきませんでした。いくら、かれらの思惑が別のところにあったにせよ、「共同研究」を行った相手でしたので、私なりに節度を持って対応し、沈黙を守ってきました。

しかし、その時から約10年が経過しましたので、「白い泡」の解説を行うために、そろそろ、そのときの経過をやや詳しく明らかにしてもよいのではないかと思うようになりました。結局、この企業とは、せっかくの共同研究が実を結ぶことはありませんでした。

それは、上記のこと以上に「お粗末な企て」が、かれらによって再度なされたからでした。さすがに、本ブログの品位を保つことが重要ですので、それを詳らかに明らかにする必要はないでしょう。さて、問題は、その後において「白い泡」の運命は、どのようになっていったのか、にあります。

この連載の冒頭に述べてきたように、「白い泡がナノバブル」という見解は、巷の一部に根強く残っていますので、そのことについてやや深く分け入る必要があるように思われます(つづく)。

 

今年も参加します、日本マイクロ・ナノバブル学会。

今年も参加します、日本マイクロ・ナノバブル学会。2011年より、毎年参加・発表してきましたが、昨年は発表者の1人に選ばれたと週末に電話がかかってきましたが、翌週のネットによるプログラムを見たら自分の名前が見あたりませんでした。

世話役に問いただすと、「多くの方に発表して欲しいから、今年はご無理願った」との返答。それなら、最初採用になりましたと電話を受けたのは何だったのでしょう。

裏の見えない力により、動かされたんでしょうね。

納得できない事ばかりなので、昨年の学会では自分も質問をしました。

「研究で使用されているナノバブル水は、弱アルカリ性に変わりますか、弱酸性にかわりますか、かわりませんか。」

残念な事に、学会発表された方や、学会に関係している大学の先生方は、自分達が使用しているナノバブル水の性質(アルカリ性?酸性?変化なし?)に無頓着な方が多い事がわかりました。

また、昨年の質疑応答で自分が発した言葉、「酸性とアルカリ性ということは、間逆の反応がナノバブル水(ウルトラファインバブル)では起きています。これでは、平成27年に取得する予定である国際標準化も厳しいのではないでしょうか。」

私の言った事は現実となり、H27年国際標準化の話は泡となり弾けました。

質問の後、私の2つ後ろに座られていた大分県のO氏(昨年の基調講演者)が、私に話しかけてくださいました。

「泡の性質が違うんだよ。」

今年の日本マイクロ・ナノバブル学会では、大分県のO氏(昨年の基調講演者)と私で、PHの変化について質問攻めにあうかもしれませんね。しかし、そこが一番大切なところなんですよね。

泡の数や泡のサイズよりも大切な事であるPHが、いかに変化する力を持っているナノバブル水であるかということを。m(__)m

 

 

 

 

 

白い泡のマイクロバブル、ナノバブルは、やはり効果薄みたい。④

「大分県のo氏のサイトより引用」

「あなた方が開発された装置では、確かに『白い泡』がよく出てきました。問題は、それがなぜ白いのかです。その理由は、そのサイズにおいて50~80㎛程度の気泡が比較的多く発生していたことによるものであることにありました。

それでは、この白い泡が発生する水の物理化学的特性を調べてみましょう。
これについては、何か、調べておられますか?」かれらは、無言のままでした。

「それでは、最も一般的で、必ず計測する必要がある、水素イオン濃度を計測してみましょう。ここに、高性能の水素イオン濃度計(HORIBA製)があります。まずは、これで計ってみましょう」すると、どうでしょう。水道水中において白い泡を発生させると、その値は徐々に下がりはじめました。

「これは、弱酸性化の傾向を示していますが、これまでに、このような計測をしたことがありますか」かれらは、ますます目を丸くして、黙ったままでした。白い泡の正体が解明され、さらに、その液体の性質まで明らかになり始めて、おそらく何もいうことができなくなったというか、問題の所在がかれらの水準を超え始めたからだと思います。

時間経過とともに、その弱酸性化は、さらに進行していました。「この弱酸性化の特性は、私どもが開発した超高速旋回式の装置とは明らかに異なっています。その装置では、反対に弱アルカリ化の傾向を示しますので、互いに相反する特性を有していることになります」

ここで、その整理をしておきましょう。
発生方式     泡の見え方      液体の性質
加圧溶解式   白い泡(白濁泡)     弱酸性化
超高速旋回式  白濁化しない      弱アルカリ化

ここで重要なことは、マイクロバブルを発生させる装置において、その方式が異なれば、そこで発生するマイクロバブルの物理化学的特性も異なることが明らかになったことでした。

この結果は、かれらが期待していたこととは明らかに違っていました。

その期待(あるいは念願ともいってよいでしょう)とは、同程度のマイクロバブルであれば、その発生方式は異なっても、同じ性質を持ってほしいというものでした。具体的には、かれらが持参した装置が、私どもの装置と同じ性能を示してほしいという念願でした。しかし、それは、明らかに「期待外れ」になってしまったのでした。この結果は、かれらの「期待外れ」にとどまらず、その後において次のような影響を与えることになりました。

①まず、同じサイズのマイクロバブルであれば、その性質はみな同じであると主張していた理論計算の方々の思惑を粉砕することになりました

かれらの思惑には何も根拠がありませんでしたので、その証拠を前にしては、もろくも崩れ去るしかありませんでした。

しかし、かれらの多くが、物理モデルを用いての計算手法を採用していましたので、そこに科学的特性を考慮することは、至難のことであり、その苦労はいまだに継続しているのではないでしょうか。

②マイクロバブルの発生方式が異なると、マイクロバブルの性質が異なる、この結果は、実験家にとっても重要な影響を与えました。

当初は、自分が用いたマイクロバブルの発生装置を示さない、あるいは意識的に隠す傾向の方までいて、どのような装置を用いてマイクロバブルを発生させたかについては、あまり重要視されていませんでした。

実験屋においても、私どもの方式とは違う方式でマイクロバブルを発生させても、その特性は、自分が造った装置においては、その性質が同じであると思いたかった方もいたようでした。この願望に近い、そしてあいまいな見解が流布されることによって、当然のことながら、そこには社会的に混乱が起きていくことになりました。

そのことは、各種のインターネット上のマイクロバブル装置に関する宣伝を見れば明らかであり、装置はいろいろと異なっていても、マイクロバブルの性質は、奇妙にも同じであるという主張が繰り広げられています。

しかし、最近は、あるマイクロバブルウォッチャーの言によれば、この混乱はだいぶ治まってきたそうです。

上記の傾向は、ナノバブルにおいても指摘でき、ナノバブルが、どのような物理化学的性質を示すのかにおいて、いまだ、その科学的性質が十分に明らかになっていないように思われます。

おそらく、ナノバブルの存在によって、何かが起こる、起こってほしいと考えられているのではないかと推察しています。そうであれば、そのことをもっと積極的に探究していただきたいと思います。

昨年のマイクロ・ナノバブル学会において、ナノバブルのことを強調される方々に、そのことを質問してみましたが、そのほとんどにおいて、私が満足できるような回答を得ることができませんでした。

今年も、12月18日に、その学会に参加する予定ですので、2年越しになりますが、そのことをより詳しく尋ねてみようと思っています(つづく)。

 

白い泡のマイクロバブル、ナノバブルは、やはり効果薄みたい。③

「大分県のo氏のサイトより引用」
白い泡の正体は、そのサイズが50~80㎛程度の大きさの気泡であったことが判明しました。それが比較的多く存在することで白く見えていたのです。白く見えるのは、マイクロバブルの界面が光に反射したことによるものであり、もともと空気は透明です。この反射光がないと、あるいは小さいと、それは白く見えません。

かれらが持ってきた装置(「加圧溶解式」、あるいは「減圧式」と呼ばれている)は、最初に空気を圧縮して加圧し、その後、減圧弁で圧力を下げることによって気泡核が膨らんでマイクロバブルを発生させる方式でした。したがって、気泡が膨らみながら発生しますので、その気泡サイズを制御することができません。

もともと加圧状態にあった気泡が、減圧によって膨らんでいきますので、その気泡の内部の圧力と外側の液体の圧力がつりあうことで気泡の形成が可能になります。この圧力は、液体(水道水)の表面張力ともつりあい、これによって、おそらく気泡のサイズが決まるのだと思います。ですから、この気泡のサイズは、出たとこ勝負といいますか、そのサイズを制御できないままで膨らみながら発生してしまいます。

ところが、私どもが開発した超高速旋回式マイクロバブル発生装置においては、これと全く異なっていて、その発生直後から、そのほとんどが収縮していくマイクロバブルなのです。

片や膨張するマイクロバブル、片や収縮するマイクロバブルであり、これは相反する現象ということができます。この収縮するマイクロバブルについては、後ほど詳しく説明します。

さて、その会社の方々を前にしての試験において、次に行ったことは、この白い泡を含む水の性質を調べることでした。

「水の性質を調べるには、その水素イオン濃度を計測することが基本中の基本です。ここに、高性能の水素イオン濃度計(pHメーター)がありますので、マイクロバブル発生後の水素イオン濃度を計ることにしましょう」

ある会社のお二人は、持参した装置で発生したマイクロバブルが、私どもが開発した装置で発生したマイクロバブルとは、そのサイズにおいてかなりの差異を示したことから、そのことが頭の中に残っていたのでしょうか。

何もいわずに、私どもが行うことを注視されていました。

「それでは、マイクロバブルを発生させてください。開始とともに、pHメーターでの計測を作動させます。私どもの装置の場合、マイクロバブルを発生させた液体のpHは、徐々に上がっていきます。はたして、そうなるのか、ならないのか。ここが注目点です」

こういいながら、マイクロバブルを発生させると、そのpHの値は、上昇せず、逆に、徐々に下がっていくという傾向を示し始めました。

「ここでも、反対の現象が起きましたね。これは、いったい、どういうことなのでしょうか?」
無言のかれらは、首をかしげていました(つづく)。