日本マイクロ・ナノバブル学会の基調講演者の方のブログからの抜粋です。
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泡が白く見えると「白いミルクのようなナノバブルの泡」を連想させることになり、いかにも効きそうに思えるのでしょう。
ですが気をつけなければならないのは「マイクロバブルの性質」は、その発生方式によって決まるため、発生させる方式が違えば、そのマイクロバブルの基本的特性も異なること になるという点です。
当たり前のことなのなのですけどね。
こうした「白いミルクのようなバブル」を発生させる方式のものはペット用のマイクロバブル発生装置によく見られます。
こうした白い泡は、液体中に加圧された気体を挿入することで気体を強制的に溶解させ、それを減圧開放してマイクロバブルを発生させる加圧溶解方式 の泡によく見られる特徴で、ビールの栓を抜くと中から泡が出てくるのと同じ方式です。
マイクロバブル博士が書かれた「マイクロバブルのすべて」という本ではこの加圧溶解方式と超高速旋回方式の両方の方法で発生させたマイクロバブルによる血流促進の比較実験が行なわれています。
同じ室温、水温下で気泡を発生させ、三人が同一の血流計を用いて血流変化を調べたのです。
すると加圧溶解方式で発生した泡では、血流促進がまったく無く、何も変化が起こらなかったのです。
気泡発生時の水素イオン濃度を比較すると、超高速旋回方式で作られたマイクロバブル水では弱アルカリ化されるのですが、加圧溶解方式の白濁バブルでは、これが逆の傾向になり、弱酸性化の傾向を示した のです。
つまり、超高速旋回方式で作られたマイクロバブル水と加圧溶解方式で作られた淡水白濁バブル水とでは、全く別物 の性質をもっていることが証明されたのです。
一般的な今までの常識では「白くないと泡ではない」と考えがちです。
そのため発生装置を販売する側からすれば「目に見えるような白い泡を発生させる商品でないと、商品性の面から売りにくい、ということになります。
このように全く新しい泡の種類であるにもかかわらずマイクロバブルについては、昔から定着している「泡」や「気泡」の概念で解釈しようとする傾向 にあるようです。
そのためマイクロバブルの特性を利用するという発想ではなく、マイクロバブル発生装置を売りたい側の都合や技術の事情を優先し た装置が氾濫するという傾向に拍車がかかりがちになるということは、頭に入れておく必要があります。
マイクロバブルの特性を考える際には、意外にもこうした「今までの常識」が、邪魔をすることが、少なからずあるようです。